今月の歯の話

乳歯の虫歯

大人の歯に比べて虫歯になりやすい乳歯。
予防のポイントを紹介します。

乳歯の特徴
歯の表面を覆っているエナメル質・象牙質の厚さが永久歯に比べて薄くなっています(歯の神経までの距離が近い)。石灰化度(透明度)も低く、白みがかって見えます


乳歯が生えそろうのはいつ?
乳歯が生えそろうのは3歳前後です。上10本、下10本です。
この頃からやっとしっかり噛めるようになってきます。
しっかり顎を使うことにより、顎の成長を促します。

歯が「すきっ歯」になってきた
子供の場合、年齢と共に歯と歯の隙間が空いてくるのは当たり前です。
顎が大きくなってくれば、歯と歯の隙間があいてきます。
これは、乳歯よりも大きな永久歯がきれいに生えるスペースを確保しているのです。
この隙間がないと乳歯より大きい永久歯は生える場所がなくて、歯並びが悪くなってしまいます。


虫歯になりやすいのはどの歯?

3歳を過ぎる頃から虫歯も多くなります。
虫歯になりやすい歯は上の前歯・奥歯、下は奥歯です。
下の前歯も虫歯になるというのは重症です。
子供の虫歯は痛みなどの自覚症状が少ない割に、急速に進行して歯ぐきが腫れたり急激な痛みが出ることがあります。

虫歯について

虫歯について

虫歯のでき方

前回もお話しましたが・・・

虫歯は口の中のバイ菌が口の中に残っている食べ物のカスを栄養にして、歯の表面に多数集まり、うがいや飲み物を飲んでも歯から取れないようになることから始まります。
べったりついた汚れ=歯垢(プラーク)にはいろいろな種類のバイ菌が住み着き、ある種類のものは酸を作ります。
歯垢の中で酸は薄まることがなく歯の表面に長く付着しています。
この酸によって歯のカルシウムやリン等の無機成分が溶け出してくるのが虫歯の始まりです。
そして、徐々に歯に穴があいてくるようになるのです。
穴が大きくなると歯の神経に近づくため痛みを感じるようになります。


虫歯ができるといけないの?

痛みがあったり、痛みはなくても大きな穴があれば食べ物が噛めません。
顎の発育が不十分になったり、好き嫌いの原因になったりします。
顎の中では永久歯がどんどん成長しています。(生え始めるのは6歳前後から)乳歯が虫歯だとスムーズな生え変わりに支障をきたします。(永久歯の歯並びが悪くなる)
乳歯の虫歯を放っておくと顎の中の永久歯の成長も妨げられます。
治療が必要になって歯科医院へ行くことは子供にとっては大きなストレスになります。


次回は《虫歯の予防のポイント》を紹介します。

むし歯になりやすい場所

むし歯になりやすい所

みなさんは、むし歯になりやすい場所があることをご存知ですか?
虫歯ができやすい場所というのはあります。
虫歯ができやすい場所=汚れが残りやすい場所ということで、3大不潔域といわれています。

大人よりも子供の歯
乳歯や生えたばかりの永久歯は、エナメル質の表面の結晶構造がもろく、歯垢(プラーク)の中で、むし歯の原因の酸や毒素がそれほど作られなくても、すぐに歯の表面が溶けだしてしまいます。永久歯は生えてから時間の経過とともに、エナメル質の結晶構造が、しっかりとしたものに、変化していきます。

前歯よりも奥歯
奥歯のほうが、むし歯になりやすいです。歯はその役目に合わせた形をしています。
奥歯は飲み込みやすくすりつぶすために四角くて凹みや溝がたくさんあります。凹みや溝は食べかすが停滞しやすく、プラークを作りやすい環境になります。

前歯は上側に注意
上の前歯はむし歯になりやすく、下の前歯はむし歯になりにくいです。下の前歯の裏側には唾液を分泌する大きな腺があって、何らかの刺激がなくてもいつも唾液が出ています。このため下の前歯には虫歯は少ないです。下の前歯に虫歯があれば、他の歯に虫歯ができている危険度はかなり高いと言えるでしょう。逆に、上の前歯は唾液の流れを受けにくい所です。特に乳幼児期では最初に虫歯になりやすいところです。

3大不潔域

3大不潔域


■奥歯の咬み合わせの面の溝(小窩裂溝)









■歯と歯の間(隣接面)







■歯と歯肉の境目(歯頸部)



虫歯の初発部位は、ほとんどがこの3つのどれかといってもいいくらいです。
歯を磨くときはこの3大不潔域の汚れにとくに気をつけて磨きましょう。

むし歯の進行について知ろう

虫歯の原因

今までは「歯周病」についてお話してきました。
歯周病は、歯を支えている骨や組織、歯肉の病気です。
さて、むし歯はどこにできるのでしょうか・・・

むし歯のメカニズム
ものを食べると、口の中には食べカスがどうしても残ります。口の中にいる細菌(ミュータンス菌)がこの食べカスを元にして、ネバネバしたノリのようなものを作り出します。これが歯垢(プラーク)と呼ばれるものです。砂糖などの糖分を多く含む食べカスは、特に細菌に好まれます。この歯垢の中で糖分が分解されて酸や毒素を作りだし、歯を溶かしてしまうのです。

むし歯のはじまりに注意
歯の表面が、チョークのように白く濁ってきたら虫歯の始まりです。(まれにもともとの歯の質で白く濁ってしまうこともあります。)歯垢(プラーク)の蓄積は、歯肉の炎症も引き起こします。歯肉が赤く腫れたり、歯の裏に歯石が沈着することもあります。
プラークを蓄積することにより、むし歯のリスクも、
歯周病のリスクも高くなってしまうのです。


細菌
口の中に砂糖が長時間滞在していると、ミュータンス菌(むし歯菌)などの細菌がこれを食べてネバネバしたノリのようなものを作り出します。歯垢(プラーク)の中で糖分やでんぷんが分解されると酸が発生、歯の表面を溶かし始めます。
食べ物(糖類・特に砂糖)
ミュータンス菌などの細菌は、糖分を食べて毒素を作り出します。歯垢(プラーク)内にたまった
乳酸は、歯のミネラル(カルシウムなど)を溶かしてしまうのです。
歯質
ひとりひとり顔が違うように歯の性質も千差万別。人によっては歯の質が弱い、歯並びが悪いなど、虫歯にかかるリスクが高い場合もあります。
時間
歯に歯垢がついている時間が長いほど虫歯になりやすくなります。食べたり飲んだりするたびに
歯の表面は酸性に傾いてしまうので、いつも何か口に入れている人はかなり危険!
食事や間食は規則正しくとることが大切です。

虫歯になりやすい人

虫歯イメージ

1. 歯の質が弱い人

2. 歯の形、歯並びが歯垢のつきやすい状態になっている人

3. 細菌(ミュータンス菌)のもともと多い人
数が多い方が虫歯になりやすく、少ないと虫歯になりにくいと言えます。
母親のミュータンス菌の数が多いと子供への感染が起こりやすいです。
そして、いったん住み着いてしまったミュータンス菌は、歯医者さんでも口の中から
除去することは困難です。

4. 薬やその他身体的な理由で唾液が少ない人
内科・整形外科・精神科等長期にわたって通院し、薬を1〜数種類服用していると、
その薬の副作用で唾液の分泌量が抑えられることがよくあります。
慢性的な病気やいつも飲んでいる薬があれば、歯科医院でも関係ないと思わずに
伝えて下さい。

また、頭・頚部の放射線治療を受けた人も、唾液の分泌が抑えられることがよくあります。
  
虫歯のメカニズムは、子供も大人も同じです。
ただ、歯の質を考えると、大人よりも子供のほうが、
むし歯になりやすいのです。

乳歯や生えたばかりの永久歯は歯の質が弱く、
歯垢(プラーク)の中で、酸や毒素をそれほど作られなくても、
すぐに歯の表面が溶けてしまうのです。

次回は、『むし歯になりやすい歯や場所』についてお話します。

歯周病チェックをしてみよう!!

20歳以上の日本人の約80%が歯周病にかかっているとも言われています。
もちろん小さな子供でもなりうる病気です。
歯周病は、自分では気づかない方が多いようです。
自覚症状が出るときには、歯周病がかなり進行しているというケースが、 ほとんどです。
歯周病が進行することで、歯を失うだけではなく、長期にわたっての治療期間を必要とすることもあります。


さぁ、チェックしてみましょう。

1
歯肉がムズムズする感じがある。
2
朝起きた時、口がネバネバする。
3
口臭がある。または、人に言われたことがある。
4
歯ぐきが赤くなる、歯みがきなどで出血する、腫れる。
5
食べ物が歯にはさまる。
6
固いものが噛めない、噛むと痛い・出血する。
7
歯ぐきがピンクではなく、赤や赤紫になっている。
8
虫歯がないはずなのに、冷たいもの・熱いものがしみる。
9
歯ぐきを指で押すと、ぶよぶよして血やウミなどが出る。
10
歯が少しグラグラする。


チェックはどうでしたか??

1.か2.のみ ほとんど健康なので、これをキープして下さい。
3.〜8.が1つある もしかしたら歯周病かも…
虫歯が無くても、歯科健診を!
3.〜8.が複数ある

歯周病の可能性があります。
早めにチェックしましょう。歯周病検査やケアでしっかり改善へ!

9.や10.がある かなりキケンな状態!一刻も早く歯周病の治療をおすすめします。対応しないと口全体が更にひどくなり、総入れ歯という事も・・?


歯周病の治療は、 治療だけをすればよいというものではありません。
正しいセルフケア(ブラッシング方法など)や正しい知識を身に付けながら、
患者様本人と担当の歯科医師・歯科衛生士と共に進める、いわば共同作業になるのです。
正しいセルフケアをすることにより、目で確かめることができるほど効果を得ることができます。

歯周病とは、病気です。

早期発見
早期治療をするため、定期健診をおすすめします。

歯周組織検査

歯周病チェックはどうでしたか?

「歯周組織検査」についてお話します。
お口の歯周病の現状を理解していただくためにも必要です。
そのため「歯周組織検査」には、次の項目があり、
歯周組織をいろいろな部分から調べて、分析していきます。

1.プロービング
2.プロービング時の出血
3.動揺度
4.歯肉退縮の幅
5.付着歯肉の幅
6.根分岐部病変の有無
7.プラークコントロールレコード

プロービング・プロービング時の出血・動揺度について、お話します。

プロービング

プロービング

「プローブ」という器具を使い、歯と歯ぐきの境目には浅い溝があり、その部分の深さを測定します。
歯と歯ぐきの境目が、病気に侵されると歯周ポケットといいます。
この溝の深さは健康な歯肉の場合1〜3mmくらい。

歯周ポケットが4mm以上になってくると歯周病ということになります。
歯周ポケットが深くなることは、歯周病が進行していることを意味します。


プロービング時の出血

プローブで歯周ポケットの深さを測ったときに、出血するかどうかを調べます。
出血するところは、歯周病細菌の感染によって歯肉が炎症を起こしているところなので、検査表にチェックします。

動揺度

ピンセットで歯の動きを調べます。
·0度:動きがナシまたは、生理的な動揺のみ
·1度:前後に動く
·2度:前後左右に動く
·3度:前後左右上下に動く
3度になると、目で見てわかるほど歯がグラグラと揺れます。
歯を支えているまわりの骨がなくなってくると歯の動きが大きくなります。

「歯周組織検査」をすることで

歯がグラグラ

「歯周組織検査」をすることにより、
歯周病の進行状況がある程度わかるのです。


お口のなかも建物と一緒で、たとえ内装をきれいにしても、土台がしっかりしていないことには、なにかあったときに、すべてが崩れてしまうのです。

あと必要とする資料は「レントゲン写真」です。