近頃の若年者には、凸凹の歯並びや噛み合わせの悪さが目立ちます。
子供は乳歯が生え始めてから10数年を経て永久咬合が完成します。
この間、咬合に不正が生じた場合には通常、次のように二期に分けた治療を行います。
初期治療[早期治療、一期治療]は3〜12歳頃までの永久歯咬合完成前の段階で、良好なごうごうが形成されるように誘導する咬合育成の治療です。
この時期は旺盛な成長発育があるので比較的単純な装置で歯の位置や顎骨の位置関係の改善を行います
本格治療「二期治療」は永久歯咬合がほぼ完成し、大きな成長発育の時期が過ぎてから、厳密に歯を動かして良い咬合を形成するために固定式の留め具(マルチプラケット装置)を用いて矯正します。
不正咬合の主な原因
1.遺伝
顎や歯の形は遺伝しやすいので顔も似てきます。
例えば親が著しい受け口ですと、子も同じく受け口になる可能性があるわけです。
しかし心配は要りません。その症状がはっきり現れるのは第2次成長期を迎える12歳以降の事ですから、それ以前から対策を講じておけば不正は最小限に抑えることができます。
ぜひ、早めに矯正医にご相談下さい。
2.病気
「鼻づまり」や「扁桃腺肥大」は口で呼吸するので歯列の横幅が狭くなり、上の前歯が押し出されて上顎前突になります。
顎骨の中にできた腫瘍やのう胞によって歯が著しく移動することもあります。
3.癖
乳幼児の指しゃぶりは正常な行動とされていますが、乳歯が生え揃ってから永久歯が生えるまで長期にわたって指しゃぶりが続くと開咬という不正咬合になったり、時には上顎前突になったりします。
その他いつも唇を噛んでいたり、タオルを噛むなど口にまつわる色々な癖があります。
4.乳歯のむし歯
虫歯を放置すると痛みばかりでなく、噛み合せもズレてきます。
時には後から生えてくる永久歯の形成不全や位置異常を招きます。
5.乳歯の早期喪失
永久歯は前へ前へと動く習性があります。
例えば6歳頃に生える第1大臼歯は前方の乳臼歯が崩壊したり脱落すると直ちに前方へ移動してしまうので、そこに生える永久歯の場所がなくなります。
結果として凸凹の歯並びが出来るのです。
八重歯はその代表例です。
6.歯のトラブル
乳歯から永久歯に交代するいわゆる混合歯列期は6歳頃から12歳頃までの数年間です。
その間に永久歯の生える順序が乱れると歯列や噛み合わせの形成が妨げられ、不正咬合になります。
次のような歯の交換の問題がみられたら、小児歯科医や矯正医にご相談下さい。
◆埋伏(まいふく)
時期になっても萌出してこない歯を埋伏歯といいます。
例えば後ろの歯が寄ってきてしまったりします。
こういった場合は、埋伏歯と前後の歯に留め具をつけて本来の場所へ奉引します。
◆癒着(ゆちゃく)
歯槽骨と歯の根が結合した状態を癒着といいます。
癒着が起こると周囲の歯より低い位置になります。
その高さのズレにより、前後の歯が移動し咬合が悪化します。
乳歯の奥歯によくみられます。
こういった場合は、矯正装置で前後の歯を押し戻し、癒着歯を抜歯して次の永久歯の萌出を助け出したりします。
◆外傷
転んだり打撲して歯が破折、移動、脱落することがあります。
例えば打撲して前歯が上方へ移動してしまいましたので、場所を確保して本来の位置へ戻るようにしたりします。